2020.09.28

任意売却の税金を考える!

任意売却しても、不動産売却の譲渡益には譲渡税がかかりますので、譲渡所得にかかる譲渡税の計算をして税金を確保しておかなければなりません。不動産購入代金が任意売却による売却金額を上回っている場合の譲渡税はかかりません。不動産譲渡の分離課税の短期長期の譲渡税が非課税になる場合もあり、債務支払いが不能と認められて債務弁済が著しく困難である場合には非課税になります。

任意売却での税金
任意売却は、住宅ローン滞納などによりやむを得なく自宅を売却することになった場合に行いますが、それでも不動産売却益に関する税金はかかります。

譲渡所得税
譲渡所得税は、売却代金が購入費用を上回った時の差額にかかる税金を下記の計算式で求めます。

〇譲渡所得税=税率×{譲渡価格-(取得費+売却費用)}
※取得費は、不動産購入代金+取得費用の合計から減価償却費を差引きしたものと譲渡収入価額(買主から受け取った額)の5%(大きい額)で計算されます。また、売却費用は売却時の仲介手数料や登録免許税も含まれます。

〇取得費にできる費用
・設計変更費用
・増改築リフォーム費用
・仲介手数料
・不動産取得税
・免許登録税や登記手数料
・契約書の印紙代
・ローン事務手数料
・ローン保証事務手数料
・固定資産税・都市計画税の精算金
・抵当権設定の免許登録税や登記手数料
・建物に付属する設備費
・建築費や工事にかかった諸費用
・ローン借入日~所有開始までにかかったローン金利
・ローン借入日~所有開始までにかかったローン保証料
・ローン借入日~所有開始までにかかった団体信用生命保険料

所得税と住民税
不動産を売却して譲渡益が発生した場合はその利益に所得税(譲渡税)と住民税(地方税)の税金がかかります。

譲渡所得税の税率
譲渡所得税の税率は、不動産を所持していた年数によって異なります。
〇短期譲渡所得(5年未満) ⇒ 所得税の税率が30%、住民税が9%、利益の40%近くが税金になります。

〇長期譲渡所得(5年以上) ⇒ 所得税の税率15%、住民税5%、長期譲渡所得になると大きく税率が引き下げられます。
※復興特別所得税として所得税の2.1%が上乗せされます。

任意売却にかかる税金の軽減・控除
任意売却で税金が発生した時に譲渡所得税に関して税金の減税・控除をする方法があります。

所有期間10年超の任意売却物件は軽減税率特例が適用
短期所有と長期所有で税率が変わりますが、所有期間が10年を超えると、軽減税率の特例が適用され、税金の計算を以下のように定めています。
〇6,000万円以下の部分:年14%(所得税:10%、住民税:4%)
〇6,000万円を超える部分:年20%(所得税15%、住民税:5%)

●所有期間10年超物件の売却益が7,000万円としたら、税金は以下の計算になります。
6,000万円以上の計算と超えた部分の計算になります。

6,000万円×14%+1,000万円×20%= 8,400,000‬+2, 000,000=1040万円

特例控除を活用する
任意売却物件は、最大3,000万円のマイホーム特例が利用できる可能性があり、活用するには、以下の条件を満たす必要があります。
・長年住んでいた家を売るか、住まなくなってから3年経過するまでに引き渡すこと
・親子・親族間の取引ではないこと
・引き渡し前の2年間で同じ特例を受けていないこと
・他の特例を受けていないこと

まとめ
任意売却は必ず税金が発生するのではなく、税金が発生しても軽減税率や特例控除が使え、免除になる場合もあります。条件に該当していても、勝手に控除が行われる訳ではないので減税や節税方法などの利用で、安くなるのかを知り積極的に不動産業者へ働きかけることです。

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2020.09.25

任意売却において代理人が必要なケースについて

任意売却を考える理由は色々あるのですが、本人が病気やケガなどで不動産の売却に対応できない状況も考えられるのです。基本的には、不動産を売却する手続きにおいては本人が行う事になっています。本人がやむを得ない状況において、任意売却する際に代理人が必要なケースを紹介しましょう。

本人が契約できない状況
任意売却の場合でも本人による契約が必要ですが、病気やケガによって本人が動く事ができない場合があります。認知症の場合は、成年後見人の手続きをする必要があります。このような場合、後見人の責任は1円に及ぶまで財産管理を必要とするので、重大な負担となります。

ケガや病気の場合には、代理人を立てる必要があります。このケースの責任は、無権代理または表見代理のように越権行為に及ぶと、依頼者本人が責任を負う事にもなり兼ねないので、代理人を依頼する際に注意が必要となってきます。

配偶者や家族が代理人となるのが一般的ですが、不動産取引の場合は、専門の知識と法律の理解が求められるので、注意しなければなりません。

代理人を選ぶ際の注意点
代理人を選ぶ際は通常、家族や親戚に依頼する場合が多いですが、弁護士や専門の業者に対して依頼をする事もあります。代理人を選ぶ時の注意点は、責任範囲を限定する必要があり、自分へのリスクも考える必要が出てきます。

1.白紙委任状
白紙委任状を出す事で、本人が知識の範囲を超える場合の対応が、依頼人のリスクを増大させる危険性を伴うので、家族といえども、白紙委任状を出す事は厳禁としましょう。

2.債権者に対する事前確認
抵当権を持つ債権者にとってみれば、代理人に勝手に資産の管理を与えてしまう事を認めてもらえない場合もあるようですが、病気やケガで本人が処理できないような特別な理由のある時は、所定の手続きを行う事が可能になるので、事前に相談する必要があります。

勝手に推し進める事で、債権者の印象を悪くし、許可が得られない場合もあるので、順番を守りましょう。

3.法律に詳しい専門家に依頼
配偶者が代理で任意売却を行う場合もありますが、どうしても法律に関する知識が必要になってきます。そのような対処も考えた場合、弁護士や司法書士に頼む事で本人の権利を守る義務が発生するため信頼性が高くなります。

ただし、任意売却によって依頼料を負担するわけですので、それが可能かどうか依頼前の相談も必要です。自治体などでは、無料の弁護士相談を行っていますので、家族が代わりに本人の意思を相談するなどの方法をとりましょう。

代理人に求める範囲
委任状に関する注意点を紹介します。仲介業者が任意売却には必要ですが、本人の意思を代行する為に、債権者と仲介業者、および買主との交渉に同席が求められます。

〇売買物件を明記する事
〇価格や契約条件、特に任意売却の場合は、契約に特約を付ける必要があります。
〇委任の条件範囲や有効期間
〇業務報告
〇弁護士などの報酬に関する取り決め
〇その他の権限に対する取り決め

まとめ
任意売却では、専門の仲介業者が必要ですが、本人が交渉に立ち会う事ができない場合には、重大な責任を任せる代理人が必要となります。家族が代行する事は可能ですが、法律に詳しい弁護士や司法書士に依頼する方が、安心して任す事ができるのです。

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2020.09.24

任意売却とハンコ代の意外な関係

住宅ローンを利用する際、住んでいる家に抵当権をかけた上でお金を借りてから、建築費などの支払いに充てるのが一般的です。しかし、それが複数の金融機関から負債がある場合、借りるお金は増えるのですが返済額が大きくなるリスクを高めてしまう事になります。今回は、任意売却とハンコ代の関係について紹介しましょう。

本来の役割とは
不動産の売却をする際に行うのが、登記簿謄本上における抵当権部分を削除する抵当権抹消からスタートします。つまり、債権者の許可がなければ成立しないのがルールです。その書類を法務局に提出した時点で抹消が成立します。

複数の債権者がいる場合には、優先権の上位である場合に対してのみ、配当が支払われない為に、下位になるお金がもらえない債権者達の同意を得る為の費用をハンコ代として扱っています。

二番抵当権者以降における債権回収額を少しでも回収する為に、同意に反対する事によって起こります。任意売却を行った場合、不動産売却後において債権者の方々に配分が行われ、協議をもって取り決めするようになっているほか配分についてのルールが設定されています。
競売をした場合、抵当権設定をした時間における順序が重要で、それが早い抵当権者が配分額を優先的に受け取れる可能性が高くなるので、競売のルールに関しては規定により設定されていることで、二番目の抵当権者に異議があってもそれに従う事になるわけです。

相場はいくらなのか?
基本的にいくら支払うかについては、この金額分必ず支払いなさいといった取り決めはありません。ですが、住宅金融支援機構ではトラブル防止の為、一定目安を掲示しておくルールを設けています。

少しでも問題を起こさないよう最低限の金額を目安に設定しており、抵当権者の方が複数存在する場合においては、一定金額をもらえるようになっていますので金額面において差が出てきますがもらえない可能性も大いにある為、やむなく了解に至るのです。

それでは、抵当権順位について説明しておきましょう。二番抵当権者の場合は30万円、三番抵当権者は20万円、四番抵当権者は10万円とそれぞれ設定されています。共通項目として、残元金における1割の設定で、指定された金額とのいずれかの低い額を選択するような基準になっています。複数の債権者が設定されている場合は目安の金額として考えましょう。

配分について
先に説明した一部は競売のケースでしたが、任意売却についてはここで改めて説明しましょう。配分に関しては各々で協議してから決定できる為、後順位抵当権者のうち一部は抵当権の抹消を協力するだけでも異論を唱えたがりますし、きちんとした取り決めをしてもらわないと話にならないといいたがる人もいるでしょう。

それをされたら債務者の方は痛手になるどころか、話にすらならなくなる為、任意売却が一切進められなくなる恐れがあります。ハンコ代における本質についてですが、債権者に対する配分を意味しますので任意売却のみ成立します。

競売になるとそれが一切発生しなくなる為、債権者に対する配分額となっています。しかしながら、それが発生する人とそうでない人の二種類が存在していますので、その件については次に説明しましょう。

成立条件
配分で一切もめずに話が順調に進んだ場合に関しては、そもそもハンコ代は一切発生せず物事を進めばよいだけの話です。もめない人に関する条件については、債権者が一人だけの時や複数存在しても合計額以上の金額で売却が可能である方となっているからです。

複数の債権者に関しては、裏ハンコ代と呼ばれる存在がある為、これが非常に厄介です。一番抵当権者が金融機関ならば、二番目以降は消費者金融などとなっているのがほとんどのケースです。

同意に拒否した場合の対応としては、買主に先に所有権を売却して「抵当権消滅請求」をする事で、後順位抵当権者が競売を行う権利を阻止する事が可能です。これは、「無剰余取消し」の規定により、競売を実施しても後順位抵当権者に無駄な行為となるので、消滅請求に応じる以外にないのです。

まとめ
ハンコ代と任意売却の関係について触れましたが、複数いる抵当権者に対して円滑に任意売却を進める意味でも重要な役割を果たしています。同意に拒否した場合の対応には、任意売却の経験と、あらゆる対抗措置に対応できる専門家に依頼する事が重要です。


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2020.08.18

任意売却の完了までの概要

住宅ローンの滞納はある時点から競売へと進んでしまいますが、任意売却へとシフトしてもらうことも可能です。任意売却へ移行した場合、無事に売却を完了するまでの対応が重要となります。今回は、任意売却の完了までの流れについてお話ししましょう。

最初の段階
失業などの理由により、住宅ローンの返済が滞ったために滞納せざるを得なくなった場合、金融機関から督促状や電話が届いてきますし、最悪の場合は、一括での返済を迫ることになるといった内容の通告もきます。

ここまで来る段階で、滞納中や滞納寸前のところまでにいる状態でも、弁護士や任意売却に強い不動産業者に問い合わせましょう。最近ではメールでも受付を行っている業者なども存在しますので、時間が遅くなった場合でも相談をしてみましょう。

その後は日程などを調整してから、業者などへ直接来ていただいた上での相談と相成りますが、相談者における住宅ローン滞納状況や残債務を中心とした状況を相談しましょう。

任意売却をする際には個人の独断ではなく金融機関とも話し合いをして、お互いの合意が必要となりますので、その際の窓口として弁護士や業者が仲介人として任意売却を進める準備を行います。

値段の査定
金融機関との合意に達したのであれば、今住んでいる物件に対する査定を行いましょう。まずは周辺の地価の相場を見極めてから、不動産査定サイトへ依頼しましょう。その際には一社ではなく複数の会社にお願いしてもらいます。

その後は査定額を提示しますので、売却時において一番適した額はいくらなのかを見極めながら、最終的な額を決定してもらうのが一番ですが、売却後における残債をいかにして少なくしておくか計算に入れておくとよいでしょう。

ローン残債が査定後の売却額より低いのであれば、オーバーローンとして扱われますので、任意売却ができる足がかりとなるわけです。その後は金融機関などの債権者に対して売却許可をもらうのは先に少しだけ触れましたが、それは任意売却をしますと意思表示であり、債務返却に対する一つの答えであるわけです。

売却へ向けて
ここからは不動産会社による売却ですが、競売と違い任意売却は一般の不動産物件として取り扱っていますので、周囲の目を気にせずに売却できるわけです。

売却方法といっても、価格を優先する場合や早いうちの売却、それ以外に家族状況を優先する場合と状況は人それぞれ違います。売却方法もその人に見合った方式のほか、親族や親子の間で売買を行うリースバック方式も可能で、マンションの場合は所有ではなく借りる側として住み続けるといった一例もありますので相談してみるとよいでしょう。

第三者の購入が決定しましたら、不動産会社との契約締結後は引っ越しの日程などを、債権者に対しては最終的合意を得るためそれぞれ調整しながら進め、契約の完了へと行っていくわけです。

その後は新たな住まいへの引っ越しをするための準備を行い、一足先に新居へと引っ越しをし、何もない状態での引き渡しが前提となりますので、物件は空の状態にしておきましょう。

完了までの間
締結後は引っ越しを経て、売買代金の清算を済ませてから物件を第三者へと引っ越しの時です。引っ越し日は決算日となる場合が多く、その際には債務者と債権者、購入した方、司法書士、相談を担当した方に第三者が住宅ローンを利用した金融機関の担当者立会いの下、権利書など書類一式を引き渡しながら家の鍵を、引き継ぎをする形で、事実上は任意売却が完了します。

一般的な流れについては約3か月から半年程度かかるのが一般的です。売却後は残債が残る場合があります。支払機関と金額の調整を債権者と債務者の間で執り行い、すべて解決したら真の意味での任意売却問題は解決します。

まとめ
任意売却の開始から完了までの流れですが、一般的な不動産売却とは違い期間こそあるものの、競売と比べると不動産扱いとして市場販売が可能となります。購入した方へ物件の引き渡しと債権者への売却額の支払いを済ませ、残債がある場合はその支払い完了までが流れの一つですね。

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2020.08.07

知っておくと安心!! 任意売却で必要になる媒介契約や契約書の特約

ローンの返済ができなくなった物件は競売にかかることになりますが、競売は不動産取引よりも安い価格で取引される上、多額の費用が掛かってしまいます。しかし任意売却に切り替えることによって通常の不動産取引と同じ方法で売却することが可能になります。任意売却に必要な手続きや契約書について解説していきます。

任意売却の始め方
まず任意売却を進めるにあたり、準備しなければいけない書類は以下のようなものがあります。

◎物件購入時の売買契約書
◎身分証明書
◎印鑑証明書(原本)
◎登記識別情報のコピー
◎重要事項説明書
◎建築確認申請書
◎遠景・建物外観・建物内部の写真
◎最新の固定資産評価証明書
◎固定資産税納付書のコピー
◎借入返済予定表
◎競売開始決定通知書、督促状
◎建物の賃貸借契約書
◎住宅ローン借入時の金銭消費賃借契約書・保証委託契約書

任意売却を開始するには債権者の同意が絶対条件であり、物件の書類と合わせて必要になります。

媒介契約の締結
債務者と仲介業者の間で媒介契約を締結します。媒介契約書とは不動産に仲介を依頼する際に取引や流通の安全性を図るための書類で、書面化することが義務付けられています。

「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」のいずれかを締結します。3つの契約の大きな違いは、一般媒介契約は複数の業者と契約できるのに対し、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」は一社としか契約できません。

ただし、一社契約は業者に課せられる義務が重いため買主が見つかりやすくなるメリットもあります。

不動産会社から十分な説明で理解を得た後、速やかに媒介契約書面を交付されます。媒介契約を結んだら買主を見つけやすくするため「指定流通機構(レインズ)」に登録します。

※不動産物件情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・システム
Real Estate Information Network System=REINS(レインズ)
レインズは国土交通大臣の指定を受けた、宅地建物取引業法「指定流通機構」のことです。
「一般媒介契約」の場合レインズへの登録は任意ですが、「専任媒介契約」なら7営業日以内、「専属専任媒介契約」は5営業日以内に登録しなければなりません。

売買契約の特約条項
売買契約は通常の不動産売買と同じ方法で行われます。但し、債務超過状態であることが通常の売却と大きな違いであり、売り主に不利益が生じないよう以下の特約が契約書にあると有利に働くようになります。

売主の瑕疵担保責任を免責とする特約
通常の売買契約は買主に物件を引き渡した後、生活に支障をきたすような建物や土地の欠陥があった場合、売り主が修復の全額負担する「瑕疵担保責任」を負います。しかし任意売却の場合、物件および付帯設備における「瑕疵担保責任」はすべて免責されます。

債権者が抵当権及び差し押さえ登記を抹消することに同意することを条件とする特約
抵当権や差押え登記を抹消しなければ任意売却を進めることができないため、任意売却で最も重要な特約条項です。この特約を追加せず債権者の同意が得られなかった場合、買い手から損害賠償を請求される可能性があります。

まとめ
任意売却は競売で売却するよりも多くのメリットがあり、価格だけでなくご近所に事情を知られることなく売却することができ、引き渡し時期や引っ越し費用の相談も可能になります。良い仲介業者を見つけることで、債権者との話し合いもスムーズに進み、高額で購入してくれる売主も見つかりやすくなるでしょう。

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2020.08.05

任意売却に関わることとなる債権回収会社について

住宅ローンを利用した際、滞納が続くとやがて返済窓口が金融機関から債権回収会社へと変更されます。ローン返済のため任意売却を行う際にも、その債権回収会社が売買契約に関係することになるのですが、これはいったいどのような会社なのでしょうか。見ていきましょう。

期限の利益喪失とは
住宅ローンを使って戸建て物件を購入した場合、借り受けた資金は月々の分割払いによって少しずつ返済していくのが主です。これは、ローン契約において資金を借りる側すなわち債務者側に期限の利益が与えられることによって実現しています。

契約に基づいて、毎月必ず決められた額を支払うという約束を守っている限り、期限の利益が認められていると考えてよろしいでしょう。逆に言うと、住宅ローンを始め資金を借り受ける際、期限の利益が得られていなければ、原則として借りた額を一括で返済しなければならないわけです。

では、期限の利益が求められている条件と言える月々のローン返済が滞ってしまうと、どうなってしまうのでしょうか?一般的に、住宅ローン返済が3~6ヵ月滞納してしまうと、それ以降分割による支払いが認められなくなり、残った借り受け額を一括で支払うよう請求されることとなります。これを、期限の利益喪失と言います。

債権回収会社とは
期限の利益喪失という事態になると、借り受け資金の返済窓口も変わります。月々の分割払いが認められている時点での返済先すなわち債権者は、ローン契約を結んだ金融機関でした。しかし滞納が継続しローン残額を一括払いしなければならない状態になると、債権回収会社、別名サービサーが債権者となります。

ローンなど、いわゆる借金を受け取る権利を債権と言います。その内、ローン滞納などによって債務者側が義務を果たさなくなった債権は不良債権と見做されます。サービサーとは、このような不良債権を金融機関から買い取り、借金の取り立てに当たる業者のことを指すわけです。

サービサーは、住宅ローンによる不良債権を受け取ると、直ちに裁判所への不動産競売申請を行います。不動産競売とは、期限の権利喪失状態となった不動産について、裁判所主催による入札形式の売却を指します。

その売却方法には、不動産の所有者である債務者の意思は反映されません。売却益は債務者の手元に渡ることなくローン返済に充てられ、債務者は強制的に対象物件から退去させられます。

また不動産競売は、入札時に最高値を提示した購入希望者に売り渡される仕組みであるため、正規の不動産評価額に基づく価格とはなりません。そのため、一般的な不動産価格より安価となり、ローン残額と競売価格の差額がそのまま残りの借金として債務者に負わされることになるわけです。

任意売却に必要な債権回収会社の協力
不動産競売よりも比較的債務者側の負担が軽い返済方法として挙げられるのが任意売却です。売却額が優先的にローン返済に充てられるのは競売と同様です。しかし、任意売却では一般的な不動産評価額に基づいて売買がなされるため、競売より高値となるケースが主であり、それだけ債務者に残る借金が減らせることになります。

任意売却を行う際にも、サービサーが深く関わってきます。住宅ローン契約では、ローン支払い不履行になった際、債務者が購入物件を自由に扱えないよう差押える権利が、債権者側に与えられることになっています。これを抵当権と言い、債権者が物件所有者である債務者の意向を無視して競売に踏み切れる根拠ともなっているわけです。

任意売却において、物件に掛けられているその抵当権を除かなければ、正規の売買を成立させることはできません。そのため売買契約においては、サービサーに抵当権を抹消してもらう必要があります。

サービサー側にしても、競売より任意売却の方が多くの回収額を見込めるため、メリットがあるものと考えられます。ともあれ、サービサーの協力なくしては任意売却が成り立ちません。抵当権抹消の交渉には誠心誠意当たることが必須と言えるでしょう。

まとめ
以上のことを要点にまとめると、以下の通りとなります。
◆債権回収会社すなわちサービサーは、住宅ローン債務者が権利の利益喪失となり借金を一括返済しなければならなくなった時の返済先となる。
◆サービサーは、競売もしくは任意売却によって債権を回収する。任意売却の方が比較的売却額が高値となる確率が高いので、債権者にとって有利となる。
◆任意売却に際しては、サービサーの協力を得て抵当権の抹消に応じてもらうことが必要である。

任意売却時のサービサーとの交渉に当たっては、その分野に精通する不動産会社など専門家からのサポートを得ていることが極めて有効と言えるでしょう。

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2020.08.04

任意売却後の残債の返済は?

人生には予想できないことがいくつも起こります。幸せを感じたマイホームの購入も、ある日とつぜん会社が倒産したことにより不動産ローンが滞り、逆に負担として大きくのしかかってくることも考えられます。競売を避け、任意売却に成功した場合、その後の残債はどのような扱いになるのでしょうか。ここではそれらについて一緒に見ていきます。

そもそも任意売却とは
残債の返済について見ていく前に、そもそも任意売却とは何か、おさらいしていきましょう。不動産ローンの返却が出来なくなった場合、一般的に金融機関は競売の手続を進めていきます。

マイホームは「競売物件」としてインターネットやチラシ等で宣伝されます。そのため、近隣にも不動産ローンが返済できなかったことを知られてしまいます。市場価格よりもかなり安価で取引されたうえ、いったん落札されてしまえば強制的に退去を命じられます。

これに対し、任意売却は通常の売買と同じように、不動産会社と相談したうえで、マイホームの買主を探すことが出来ます。市場に近い価格で物件を売却することができる可能性も高く、かつ近隣にも不動産ローンが返済できなかったことが知られることはありません。また、引越し費用なども相談できます。

競売という最悪のシナリオに陥る前に、速やかに任意売却の手続きを踏むことが大事になります。

残債の返済義務について
任意売却をしても、不動産ローンの残債が残ることがあります。返済計画や返済方法については、任意売却専門の不動産会社であれば、金融機関と交渉してくれます。こうした交渉には、経験豊富で実績のある不動産会社が頼りになります。

残債の支払いプランは交渉できる
残債の返済先についてですが、2つのパターンがあります。ひとつは、そのまま同じ金融機関に返済していくパターン、もうひとつは、金融機関が民間の債権回収会社に債権を譲渡するケースです。この場合は、返済先は債権回収会社ということになります。

どちらも分割の返済方法を相談していくことになります。不動産ローンに住宅保証会社がついている場合は、住宅保証会社が肩代わりをして金融機関に全額返済をしますが、その後、債権を債権回収会社に譲渡する流れになります。

金融機関にしても債権回収会社にしても、一般的に実現可能な返済方法を探り、支払い方法などの交渉をすることはできます。返済期限については相当の長い期間認めてくれることもありますので、そちらも確認するとよいでしょう。

まとめ
いかがでしたでしょうか。任意売却が成功した後も残債の返済は必要だということをご理解いただけたかと思います。返済計画や返済方法に関しては経験豊富な不動産会社を通し金融機関と交渉することが出来ます。新たな生活を踏み出すうえで大事なステップになります。不動産会社選びは慎重に行った方がいいでしょう。

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2020.08.03

任意売却のメリット

住宅ローンの滞納が続いた場合に、競売に移行されてしまいます。競売を避けるために任意売却という手段をとる際のメリットとはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、任意売却のメリットについてご紹介していきましょう。

任意売却そのメリット
金融機関が住宅ローンを融資する際、住宅に設定されるのが抵当権です。返済を滞納した場合、適用されるのがこの権利で最悪の場合は競売対象となり、落札額を返済に割り当て、残債については返済義務が生じるわけです。

なお、一般売却が通用しないのがこの権利の特徴で、抹消はローン一括返済以外の方法は禁止とされています。任意売却をする場合、金融機関との合意の下で初めてできる売却です。金融機関と折り合いがついたら、抵当権抹消と不動産は売却が可能となります。

また、それ以外にも競売申し立てが行われた場合や督促状が届いた場合、ローン返済が困難で最悪の場合は滞納するのではと予見した時に対し、先手を打つ形としても活用できるわけです。

売却は自分の意志によるもの
物件を手放す場合、抵当権がかかっていますので競売は裁判所によって売却が決定されますが、任意売却は自分の意志での売却が成立可能となるわけです。また、一般的な不動産の売却と同じ方法で話を進めますので、一括見積をしてから複数の額を提示してもらい、条件面などを見極めてから、この価格なら納得できるかもと判断したら、その額での売却として不動産会社と交渉できるわけです。

不動産売却と遜色ない額で
販売活動については一般的な不動産売却と一緒で、市場価格での提示が可能です。競売については最低価格を中心とした額で売却が進むため、任意売却のメリットがこの場面でも強く働いてくれるわけです。

しかし、売却期間については一般の売却と比べ短期間で設定されるため、あらかじめ提示した額での購入者が出てこない場合は、やむを得ないものとして価格を多少見直して、値段を下げて販売するのが妥当な道です。

一括見積の時に提示した2番目以降に高い額を中心とした販売戦略の見直しをするのも、与えられた期間内において買い手を見つけやすくする一つの手であると考えられます。

周りに悟られない
通常の不動産売却と同じなのが任意売却ですので、売却決意の理由までも公開される危険性はないため、基本的には周囲に知れ渡るリスクはほぼありません。ローン滞納を理由に任意売却するといった情報漏洩の恐れはなく、安心して売却活動などに力を注げるわけです。

各種経費の話
売却が成立した場合、仲介手数料及び抵当権抹消に必要な諸経費のほか、管理費滞納分などに関しては、売却代金から差し引くためその費用を用意しなくても済むわけです。最終的に差し引かれた額については住宅ローン滞納分として支払うのが任意売却の原則となっています。

新たな生活拠点を確保した場合における引っ越し費用についてですが、交渉によっては確保される場合があります。ただし、債権者の同意が別途必要となります。

残った残債はどうするの?
残った住宅ローン残債ですが、この場合については競売と同じく帳消し対象とならないため、各自で支払う必要があります。分割払いが適用されるのは任意売却のみで、債権者との交渉により無理なき金額で支払いができるのに対し、競売についてはそれが一切通用しないわけです。

まとめ
任意売却のメリットについて紹介してまいりました。債権者との交渉が前提になりますが、一般的な不動産売却とほとんどかわりません。しかし、任意売却は各種の交渉が必要となりますので専門の業者や不動産会社に委託することをお勧め致します。

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2020.08.02

住宅ローンの返済が困難になった時に選択したい任意売却とは

転職や失業などの収入減や、子どもの成長に伴う学費など支出の増加など、マイホームを購入する際に計画を立てていた予想と現実が相反した時、住宅ローンの支払いが困難になるケースが発生します。そのような場合、住宅を手放してもいいと判断するなら任意売却という方法があります。

任意売却とは
何らかの事情で住宅ローンの支払いが、金融機関にもよりますが3ヶ月~6ヶ月滞った場合、金融機関は抵当権に従い不動産を差押え「競売」にかけ換金をする手法を取ります。

競売だと、いくらで落札されるかは、競売開札日まで誰もわかりませんが、よくいわれているのが、市場価格より2~3割低い価格になることが多いようです。

そこで、仲介者が債務者と債権者の間に入り、滞納した住宅ローンの抵当権の解除をお願いしつつ、両者に満足のいくような価格で売買を成立させることを「任意売却」とよんでいます。

任意売却以外の方法はあるのか
任意売却は金融機関の承諾がなくてはできないので、全ての方ができるとは限りません。そうなると残されている方法は、「競売」ということになります。

競売は、金融機関などの債権者が、住宅ローンを支払えなくなった債務者や保証人から、抵当権の設定を受けた不動産に対して、その不動産を管轄する裁判所に対して担保不動産競売を申立てることをいいます。

競売は、裁判所が売却までの全ての手続きをおこなってくれるので、競売を申立てる側(債権者)にとっては、資金の回収するメリットがある一方、市場の相場よりも2~3割は低く売却される可能性が高いことはデメリットといえます。

任意売却と競売の比較
任意売却と競売を比較してみると以下のようになります。

【任意売却】
〇売却価格が市場価格に近い状態で売却でき、返済額に充てられることから無理のない返済計画が立てられる。
〇引っ越しに関する費用・時期・引っ越し先などの融通が利く。
〇プライバシーが守られる。

【競売】
〇売却価格が市場価格より2~3割低く、返済額への充当が期待できず、債務が多く残る。
〇立ち退き費用がないことや、強制的に立ち退きを迫られる。
〇引っ越し先に関する費用・時期・引っ越し先など融通が利かない。
〇競売情報が公開され、近所に知られてしまう可能性がある。

比較してわかるように任意売却を選択すると、先の見通しを立てることができるので、新たなスタートをきることができるようになりますが、任意売却をするには金融機関が競売にかける前に動かなくてはいけません。早めに対処するよう動く必要があります。

住宅ローンの支払いが困難だと思ったら
金融機関にもよりますが住宅ローンの滞納が合計6回になると、競売への手続きが開始されてしまいます。裁判所から「競売開始決定通知書」が届くと、競売を取り下げて任意売却をするまでに残された期間は、余裕を見ても5ヶ月、早ければ3ヶ月しか残っていません。

競売にかけられてから任意売却の交渉をするのは、時間切れとなってしまうこともあります。そのようなことも踏まえると、任意売却は、住宅ローンの支払いが困難だと思ったその時に、行動をすることが大切です。

まとめ
任意売却は、不動産売買の中でも特別な売却方法です。本来なら、金融機関に全額返済をしてからでないと、住宅の売却は認められません。しかし、条件が揃うことで任意売却を許可してもらうことが可能となるのです。住宅ローンの支払いが困難だと感じたら、早めに行動をおこしてください。


任意売却に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

2020.08.01

任意売却の相談で、安心できる今後を考える

任意売却には、無料で相談できる方法があります。任意売却を専門にしている仲介業者や行政書士などが、任意売却についてご案内しています。相談と実行に移すのは、慎重であるべきです。任意売却の相談で、安心できる今後を考えてみる事です。

任意売却で、相談先の選択
任意売却は、競売による方法を避ける事で、住宅ローンによる窮地をいくらか軽減できる方法として、自分の所有する不動産の処置を選択できる可能性がある事です。任意売却と競売でしか住宅ローンの返済ができない場合、所有者にとっては、重大な決断に迫られる事になります。

その前に、相談先を選ぶ事です。できれば、そのまま任意売却を引き受けてもらえると時間的なロスを無くす事ができるので選択方法は、慎重にならなければなりません。相談先に求めるポイントをまとめてみましょう。

1.任意売却の実績で選ぶ事
第1に考える事は、任意売却における実績が重要です。なかには任意売却を通常の物件のように扱って、トラブルや期限切れにあう場合があり、結果的に競売に持ち込まれる可能性が高くなります。専門の仲介人は、ある程度の投資家に通じており物件の対処法だけでなく買手や全体的な流れまでフォローができるのです。

2.不動産関連の専門家がいる事
税理士や弁護士、不動産鑑定士など、法律にも精通した専門家が控えていて、それぞれの役回りで任意売却の成功に導く手段を講じる事ができます。

3.費用面での明確な回答
任意売却をするお客にとっては、支払うべき費用は全て不動産売却に依存しており、余分な費用の出費は不可能になります。持ち出し費用がないようにしなければならないので、全ての費用において納得のできる対応であるべきです。

なかには話を有利にする為に、お金がもらえるなど詐欺に近い行為もあるようです。引っ越し費用の場合は、出ない場合もあり債権者の好意によって上限が30万円までとなることもあります。おかしいと思ったら、他の相談先で確認してみましょう。

4.債務の返済に対する対応
任意売却によって返済できる額は限られた場合が多いです。全額返済が不可能な場合の選択として、任意売却を選ぶ場合がほとんどなのです。いわゆる債務超過による状態なので、住宅ローンなどの返済が、完納できずに残ってしまうのです。その場合のサポート体制として債権者に対し、残りの返済方法について交渉してもらえる事です。

それができなければ、競売との違いがないに等しいのです。売却した後に無理な返済が残ってしまうと、自己破産するしか方法がありません。自己破産は、やり直す為にはデメリットが大きいので、そうならない為にも残りの返済を無理なく返済できるように交渉するべきなのです。

仲介人に求める事
相談する内容としては、以下の点で納得できるのであれば、競売の期間も考えて早めに決断する事です。任意売却の仲介人の役割について記載します。

1.債権者との交渉で抵当権の抹消
2.買手の確保と契約の手続きをする事
3.契約で万一の場合に、違反にならない無条件の解約や持ち出しの出費がない事
4.売却後の引っ越し費用の交渉
5.売却後の残りの返済方法に対するサポート

まとめ
任意売却では通常の取引のように対応しますが、競売に迫られると期間的な制限に迫られてしまい、間違った判断に及ぶ場合があります。予め無料相談を利用して、任意売却について理解を深めておく必要があります。時間がある内に、慎重に判断しておく事です。

任意売却に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。